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【スペイン備忘録4】MANGAと雑コスプレの明日(後編)

ウミネコと盆踊りを挟んで、ようやく後編である。

といはいえ今さら、さらっと見てきただけの外国のマンガの状況など書いたところで何の意味があろうかとも思う。もはやMANGAは全世界に浸透しているし、同時に天下を獲るほどには席巻しないまま下り坂にあることは皆が知るところだ。
ちゃんと調べて書かれた情報ならいくらでみつけることができるし。ここにうすっぺらで無意味な雑感を書くのはノイズをを増やすだけの行為にすぎないではないか。

……しかし、そもそも全編ノイズだけのブログなので、それこそ今さらだ。さらっと見た範囲で脊髄反射的に思ったことだけを書いていこう。


前回、バルセロナの国際コミックフェアの状況を見て、日本の漫画やアニメ・ゲームの浸透ぶりに気をよくしたわけではあるが、実際にはアメコミ勢のほうが圧倒的に強い。コミックフェアの様子だけでなく、書店の棚を見るだけでも、マンガのシェアはアメコミと比べるとずっと少ないことがわかる。

それでも、前段の初音ミクではないが、確実に根付いている印象を受ける。(初音ミクはマンガではない、というのはおいておいて)

フェア会場でも、書店でも、マンガを手にとり熱心に物色する人を多く見たし、出回っているタイトルも、もはや偏りがなく、どんなジャンルもあるといって過言ではない。
もちろん強いのはアニメ化され、スペインで放映されたタイトルで、特に少年漫画が大きな割合を占めていることは間違いないが、青年系や少女系も数多くのタイトルを見かけた。

一番目につくのは、当然と言ってしまえばそれまでだが、鳥山明関連。
世界でドラゴンボールが人気を博したのは、もう20年近くも前のことだと思われるが、日本同様、今でも絶対的な人気を誇る。DB以外のタイトルの他、関連本で出てないものはないのではないか。

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完全版DB。……でもよく見るとスペイン語版とポルトガル語版が混じっているな……。同じ棚に完全版ガイドブックのフォーエバーもある。

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大全集と……超画集までも!装丁も豪華なオリジナルそのままだ。

一時期は日本で売れて海外で売れないイメージのあったワンピースも、近年では欧州で人気が上がっていると聞く。
その証拠と言っていいだろう、ファンブックが勢揃い。

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翻訳するとどうしても文字量が増えるので、中のレイアウトはガタガタになってしまっているけども。あとロゴがだいぶちがうね。


写真には撮っていないけれども、出たばかりなのか、東京グールもあちこちでよく見かけた。
そのほか面陳で目についたのは鋼錬完全版、デスノ、トリコ、暗殺教室など。
棚さしになると、書店によってラインナップがかわってくるほどバラエティに富んでいる。

以下、目についたり気になったもの。

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聖おにいさん
カトリックは鷹揚なのだろうか。

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大判サイズの鬼太郎。1巻めだけということは刊行しはじめたばかりなのだろう。とてもカッコいいデザイン。

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「百姓貴族」。鋼錬の作者だから…というのはあるしても……。これと「孤独のグルメ」は、作者のネームバリューはあるのは間違いないが、作品自体はどこまで通じているのか気になるところ。

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「NURA」……だいぶ略されたな……ぬら。

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旧版の攻殻1.5。新版出てからも相当経っている気がするけど。

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わー今敏…! こんなにたくさん! なんかすげーうれしいな。「夢見る機械」なんとかならないかなあ。

そして。
どんなタイトルを見かけてももはや驚かないつもりだったが、これには声が出た。

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毒虫小僧ー!子供時代のトラウマ本だったが、今見ると、若干絵柄がかわいらしく見える。


ちなみに、コミック類は、通常の中小書店では扱っていないことが多い。しかしコミックショップなどの専門店他に、fnacなどの新しい大型書店では扱われているので購入に困ることはない。アマゾンもあるしね。

fnacは、書籍やマンガだけでなく、ゲームやCD・DVD、電化製品まで扱う全国展開の大型メディアショップで、僕は主に各地のfnacでマンガをチェックしていた。fnacこんなん。
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そんな風にマンガを眺めていて面白いと思ったのは、独自の特典付き販売だ。

通常のコミックスのみの販売の他に、全巻、もしくは数巻収められるボックス(紙製)付きのものが売られていたりする。
これは、1巻だけについているわけではなく、いくつかの巻で、両バージョン売ってたりするので、どの巻でもボックス付きを1つ買えば、他の巻は通常版を買えばよく、とてもユーザーフレンドリー。

それほど多くはないが、複数巻のセット販売も見られた。
興味を引いたのは、『オールユーニドイズキル』のコミックス版上下巻と、小説版のセット。

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まず日本ではやるまい。判型が違うからしようがないけど、パッキングがラフだなあ。

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この暗殺教室1巻は、ピンバッヂ付き。日本にはこのピンバッヂないよね。どこで作ったのかな。

これはどれもNORMAという出版社のものなので、スペイン全体の売り方というより、この会社独自の販売戦略なのだろうか。
公式サイト↓
NARMA COMICS

NORMAは独自にショップもある。時間が合わなくて閉まっていたけど。

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ブラックサッドかっこいい…。マンガじゃなくてBDだけど。


マンガ関連の商品はコミックだけでなく、グッズも多く見かける。

フィギュアなどの日本からの輸入品も多く見るけど、日本では見かけないものもいくつかあった。(いや、僕が知らないだけの可能性は充分にあるけれど。)

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日本で見ないものは公式なのか?…と疑いがちだが、意外とオフィシャルなのが多い。まあ、前回のイベントでのTシャツのように、明らかにアンオフィシャルなものも多々見かけるのだけど。ここにマーケットの伸びシロがあるといえるし、この鷹揚さは、マンガ浸透のためにまだ必要な気もする。

グッズを眺めて一目で気づくのは、マジンガーグッズの多さだ。

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フランスでのグレンダイザーとか、フィリピンでのボルテスVみたいに、海外で古いロボットものがピンポイントで人気だったりするが、スペインではマジンガー(特にZ)が本当に根強いのだ。

でも、マジンガーシリーズのリメイク作品はいくつかあるはずだけど、スペインでは全然見なかったなあ。

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このTシャツすごく欲しかったけど、缶入りでかなりかさばるから無理だった。
マジンガーグッズを中心に日本では見かけないものの多くは、「SDトイズ」というところが作っているようだ。
スペインの版権グッズメーカーなのかな。
SDトイズ公式サイト↓
SD TOYS

サイトを見ると
スターウォーズ、ロードオブザリングス、DCコミックスもの、ドラマ系など
日本のは、マジンガーの他にはアラレちゃん。
扱っているジャンルがバラバラだな……。


マンガ関連で他に目についたのは、研究本・解説本の類だ。

自分でも目を疑うほどブレブレだが、某所FNACの棚。

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FF、宮崎駿浦沢直樹などの名前が並ぶ。

これは国際コミックフェアのショップブースでの写真。

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ずらっと日本作品を扱った本が。
海賊本のようにも見えるが、中身は文字モノ。
図版は無許可だろうけど。(中身は引用レベルだけど、表紙は……)

著者を見る限り、スペインのものだと思われる。
ここでもやはり目につくのはマジンガーZ

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全話解説、設定画、社会現象(主にスペイン国内)などについて書かれている。
ちょっと欲しかったが、これもでかくて重くて涙をのんだ。

そして番外として、なぞのパロディ本。「ドラゴンフォール」。

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完全版に装丁をそろえているよ……。
実は頭のDB完全版の画像にもしれっと紛れている。
ウィキペディアにもある。スペイン語版だけど。
Dragon Fall-Wikipedia

93年からとあるから、元ネタ同様相当に息の長いタイトルだ。

中身は他作品も取り込んだ徹底したパロディ。クオリティは……よくわからない。


最後に。現地の書店のマンガ棚を何度か眺めていると、マンガを物色する女子率の高さに気づく。

彼女たちは、少年もの、少女もの、ジャンルに関係なく熱心にマンガを見ている。
そのへんは日本と変わりないとも思えるが、他のコミックに比べ本当に女の子が目につく。

これは単純に、男の子向けコミックは、マンガ以外にもアメコミその他があるので分散される一方で、他国のコミックで女の子に向けているものが少ないためだろう。自然と少女ものでなくても女の子のとっつきやすい絵柄の多いマンガには、女の子が多く集まることになるということか。

スペインのマンガマーケットは(もしかしたら他国も?)女性が支えているのかもしれない。
そうでなくてもいい光景だよ、棚の前で外国の女の子が夢中でマンガを見ている姿は……。

そういう普通のコたちがいる一方で、「あ、ナカーマ」と言いたくなるような、高い声で早口でしゃべるTHEオタクみたいな子らもいて、世界は広いのか狭いのかよくわからんな、と思うのだった。