【2017台湾旅行】3日目①:移動日とは重き荷を背負いて歩むがごとし、文字通り<前編>

だいぶ間が開いてしまったが、3日目である。おそらく4日目はさらに開くのではないのだろうか。この調子で行けば永遠に最終日にたどり着くことのない亀を追うアキレスとなり、無限の台湾旅行となりうる。現実にはきっちり終わって、だいぶ経つけれど。

さて。
いつも好き勝手して楽しんでいるように見えるかもしれないが、実際の所海外の旅はいつも緊張しどうしだ。
準備段階からナーバスになり、行くのが嫌になるし、旅行が始まっても、最初の宿にたどり着くまではゲロ吐きそうになるくらい不安だったりする。そして実際吐いたりする。
そうまでして旅する意味があるのか…と、やっている最中にさえ思う。
それでも有り余る旅をしたさと楽しさがあるのだ!…と言いたいところだが、本当にここまでして?と思わなくもないのが、正直なところだ。
とはいえ、このどアウエーの緊張感が、国内旅行とは違った醍醐味を海外旅行に与えているのは間違いない。ナーバスになるほど異質なものとの出会うからこそ、旅をする意味もあろうものだ。
それなのに。
今回の台湾旅行、緊張感ほぼなし。皆無。
出発前、多少ナーバスにはなったが、それはスケジュール調整が面倒くさくなったのと、前後の仕事の調整で頭を悩ませたせいだ。
旅行が始まってから、このか弱いメンタルが微動だにすることもなかった。
そりゃあそうだ。めちゃくちゃ旅行しやすいんだから。
交通の便はよい。治安もいい。食事にも困らない。接客も普通。言葉の壁は多少あるが、なんともならないという局面は皆無。
けしてホームではないが、文化的違和感はほとんどない。
超楽すぎる。
なんなら、違う国だから仕方ないという割引が最初からある分、国内よりもストレスがないくらいだ。

この日は高雄を出て、台南に向かう。すなわち移動日。いつもの旅行なら、移動日はとりわけ高い緊張をともなっているはずだ。ようやく慣れてきた場所からまた勝手の分からぬ未知の場所へ行かなければならないし、大きな荷物を持って機動力は下がるし、旅行者だと一目でわかってしまうから置き引きやスリ、詐欺、強盗のいい的になりやすくなる。不安定な交通機関がスケジュールどおりに動くかどうかもわからない。知らない場所で立ち往生したらどうしよう、到着が遅れて夜遅くなったらどうしよう…。ゲロも吐こうというものだ。
しかし、やっぱり台湾では緊張しようもない。上記の不安要素がほとんどないのだから。高雄-台南間、近いしね。
そんなわけで、ただ「早起きして眠い」ぐらいしか考えてない状態でチェックアウト。
今日はホテルの朝食はないので、前日に目星をつけていた店で鹹豆漿と蛋餅を食べる。勝手もわからず、言葉も通じなかったが、近所に日本人宿がある店なので、向こうの方が慣れたたものだった。「? ああこれね。席はあそこ空いてるからね。え?他に欲しいのある? どれ?これとかおいしいよ。はい、じゃあそれ持って席に。●●元ね」てな感じ。お手数かけてすいません。

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荒れたお腹に優しい朝食らしい朝食。味はまあまあ。
最後の高雄観光は三鳳宮だ。
三鳳宮へ向かう川沿いには、薬草の店が並ぶ。

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三鳳宮は封神演義でもおなじみの哪吒太子を祀る道教の寺。

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写真には写っていないが、平日の朝だというのにお参りする人が多い。

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写真を撮っている人なんて私一人しかいない。どう思われているかはわからないが、とても居づらい。しかも、道教のお寺は基本的にいくつもの神さまが点在して祀られていて、それを順番にめぐってお参りするので、みんな常に移動している。神様の前でも前に行き後ろに行きいろいろ手順があるようだ。
なので、ぼさっと突っ立ていると、邪魔になってしまう。おかけでますます写真が撮りづらい。
アウエー感ばりばりでなるべく目立たず、人の流れを気にしながら撮っているので、後で見るとブレている写真が多い。

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「中壇元帥」とは哪吒太子の別称。なんのご利益があるかは知らない。

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この神様は註生娘娘というひと。子宝の神だったような。

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道教ながら、お釈迦さまや菩薩なども祀られている。
他にもたくさんの神様がいる。それらをこそこそ撮り、こそこそめぐり、こそこそ出ていく。

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入り口に、寺に不似合いな感じのキャラクターがたたずんでいた。

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その名も鋼鐵哪吒。
哪吒を祀っているからとはいえ、こんなゲームキャラっぽい2頭身のコミカルなオブジェ、あまりにも唐突感がある、どういう由来なのだろう。
反対側にも菩薩をキャラ化したものがいたが、そのすぐ後ろにホームレスっぽい人がたたずんでいたので撮れなかった。

これにて高雄市街に別れを告げ、MRTでまた北上する。今回は左営も越えてその先の橋頭糖廠駅へ。
高雄の中心部から2、30分と、さほど離れていないが、駅前からすでに南国っぽい木々があふれるのどかな田舎町といった風情だ。ここは日本統治下時代に、砂糖工場があったところで、現在その跡地が観光地になっている。
しかし、それが目的で来たわけではない。
インターネットによればここに、「珍奇館」という名の施設があるらしい。
まあいわゆる秘宝館とか見世物小屋とか、そういった類のチープな施設のようだ。
そんなところ、本来ならばわざわざ台湾くんだりまで来ておいて、行くほどのものでもないが、ちょうど台南へ向かう経路上にあるし、何より、そこには河童のミイラがあるというのだ。台湾に、河童! 写真を見ると、明らかに粘土で作ったレプリカ(何が「本物」かはおいておいて)だが、それがなおさらそそる! 行かないわけにはいかない。
しかし、それらしい建物が見当たらない、どんどこ歩いていくと台湾糖業博物館の敷地に入ってしまった。

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そこにあった地図を見ると…。

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ある…! 書いてあるぞ「珍奇館」って!
…でもここ通ったような。
この地図を参照しながら来た道を戻ってみると。

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あ。
たしかにネットで見た建物……が。

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なんかいかがわしい雰囲気のかけらもない児童館ぽい感じ。これは――。
全然違う施設になってる! 
つまり潰れている!
昨日に引き続いてこれか!
いや、正直なところネットで調べてる時にすでにうっすら予感はしていた。情報が数年前からぱったりないくなっていたからだ。だからあんまりショックはない。どうせルート上だし。
でも、やや辛い…。
このまままた電車に乗るのもなんあので、糖業博物館の敷地を散策。

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あとは日本統治時代の神社跡とか

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ジャンボタニシの卵を観察したりする。

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間近で見たのは初めてだ。
ピンクのブツブツを眺め続けて気もすんだので、MRTで一駅先の橋頭車站駅に行って、台鉄に乗り換え。
他の国の鉄道だと勝手の分からないところがあったりして緊張を強いられたりするのだが、やはりここでは何もとまどうことがない。勝手知ったる感じだ。遊悠カードがあるので、鈍行ならば窓口で切符を買うこともない。ああ楽。(後編へ)