【2017台湾旅行】7日目①:信じる心は美しい(前編)

飽きましたか。YES。
やめますか。NO。

7日目です。まだいんのかよと言われれば、まだいます。
とはいえあと二日。今日はついに最終泊です。

 

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むっくり起きだして、今日の朝飯はどうしようかと考える。そういえば近くに市場があったことを思い出す。飯屋もあったと記憶する。
そう思って来てみれば、市場自体がやっていなかった。
この日は土曜日。そうきたか。
そういえば、周囲の飯屋もほとんど開いていない。土曜日休みというより、出勤する人がいないので開店が遅いのだと思われる。
プランが崩れると一気に途方に暮れるメンタルの弱さと、機転の利かなさ。
うろうろしている時に見かけた「恐龍餐廳」。

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ぶらきお!
台湾博物館の土銀展示館2階にある。
すごく気になったが、当然まだ開いていない。ここは是非次の機会には入りたい。

悩んだ挙句ひらめいたのが、「ローカルなモーニングを食べよう」。
何か台湾ぽいモーニングを期待して、朝早くからやっていた「ダンテコーヒー」とかいうチェーン店の喫茶店へ。選んだ理由は、目についたので。あるいは他になかったので。
モーニングのメニューは、特別変わっても凝ってもいない感じだったので、やや食いでが増しているブランチメニュー(分けている意味がよくわかないが)の中から、見たことない感じのものを適当に選ぶ。

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薄い生地の中には、シーチキンみたいなのが挟まれている。
はずれだった。
しかも、ダンテコーヒーを出てから駅まで歩いている途中で、いくつもの店がオープンしているのを見つける。食運はないほうである。
気を取り直して、ここからが今日の真のスタートだと思い、MRTに乗り込む。40分ほどかけて終点の淡水へ。
到着2駅前くらいで、腹が下りだして辛いことになったが、トイレに困らないのも台湾のいいところ。ただ、だいたい改札の外にあることが多いので、切羽詰まった状態でたどり着くのが大変だっただけだ。

淡水は有名な観光地だが、今回は経由地にすぎない。バスでさらに北上する。

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これが目的地へのバス。淡水駅から50以上のバス停を過ぎたところにある「富基漁港(新十八王公)」というところが目的地だ。小さくて読めないが。
50以上というと遠い感じだが、利用者がいなければ通過し、全部いちいち停まることもないので、さほどでもない。それに実は4つしか止まらない急行的バスもある。

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それが皇冠北海岸線。こちらはマイクロバスで、「新十八王公(石門婚紗廣場)」というバス停名になる。いろいろ名前があるが、全部同じバス停だ。
今回の行きにこのバス停の少ないほうを使った。当然本数は1時間に一本ぐらいと、限られているので、時間によって使いわけたほうがいい。ただバス停数が少ないほうが、気が楽だとは思う。帰りは通常のバスに乗ったが、利用者が少なかったので、やはり時間は行きとあまり変わらなかった。片道だいたい4、50分ぐらい。

バスを降りて、さてどこかな…と横を見ると案内が。

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そう、今回の目的地は金剛宮というお寺。メジャーな観光地ではないが、わりと知られている…はず。
案内に従って脇道にはいると、それはあった。

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入口からして、これまで見てきた廟や寺とは趣が違う。でかい何かが立っているのはわりとあったが。
門をくぐると駐車場。

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あ、孫悟空

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斉天大聖(大聖爺)といったほうがいいか。中には悟空以外にも、おなじみのお二方が。

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そしてお寺の方は――。

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お寺…? あふれるウェルカム感。テーマパークぽさもある。だが逆に入るのに躊躇する。何かこれまで違うことは間違いない。
入ると二十四の善行逸話の像が並ぶ坂となる。

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像を撮りながら進んでいくと、一人のおばちゃんが待ち構えていた。
おばちゃんは私と目が合うなり「日本人?」と尋ねてくる。
おばちゃんが何者かわからないので、一瞬警戒する。他の国でさんざん辛い目にあったので。特にバリ。
ちゃんとした人だとしても、無信心なのがバレて怒られるのもやだし、がっつり儀式とかに巻き込まれてもいたたまれない気持ちになるだけなので、それはそれで警戒する。
そんなことを思っていると、おばちゃんはカウンターから日本語版の寺のパンフレットを持ってきてくれた。そして、ここの一番のウリである「四面仏」の場所と、お参りルートの順番を教えてくれた。
ここでお布施がどうのとか、お供え物を売ったりするパターンもあるかと思ったが、そんなこともなく、四面仏について簡単に説明すると去っていった。普通に親切なお寺のスタッフだった。
ただ物見遊山で来ただけなのを悟られないように、おばさんが視界から消えるまで、仏さまに手を合わせたりして「ここの作法は知らないけれど信心はありますよ」的なそぶりを見せてごまかしたり。罰が当たってもしかたがないと思いつつ。

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台にある番号の順番で四面にお参りするのだろう。「四面仏」とは俗称で、道教で祀られている「圓明斗姥天尊」のこと――だとパンフレットには書いてある。四つの顔は福、禄、寿、喜を現しているという。

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四面仏の周囲をいろんな神様が囲む。

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このクジマシンはやっておけばよかったと今になって思う。

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護法神の顔出し。雑多である。

お参りの順番に従って二階へ。

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上も神様もりだくさん。早い時間なせいか人がいない。とてもやりやすい。
凌宵宝殿

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大成殿

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真ん中は孔子かな? 今回の旅行で何度も会っておなじみ魁星爺も。
でかい哪吒。

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千手観音。

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こりゃ実際千手ありそうだな。
玄天上帝。

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また「でかいおっさん」登場。
そして、2階のフロアの左サイド埋めているのが。

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六十甲子太歳。
太歳星君と、その周期60年それぞれの化身がずらっと並んでいる。
こちらが太歳星君

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これまでの寺で見たのは三面六臂の像だったが、こちらの太歳神は官吏風の身なり。
両脇に十二支の像と

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十二宮の像が。

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この辺はあんまり特徴分けされていない。
この両サイドに六十甲子が並ぶ。

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こちらはことごとく瞳孔が開いている感じで力強い。
そして彼らの中にこそ、ここに来た一番の目的がある。
それがこれ。

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甲子太歳金辯大将軍。
逆光でわかりにくい。
アップ。

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目から手が生えている。
当然謂れがあってのこのデザインなのだが、インパクトがありすぎる。
他の59体はここまで個性的なデザインでないというのも、ますますこの金辯大将軍の存在を浮き立たせている。

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うむ。なんだろうか、これは。
なんなのかわかっていても、そう言いたくなる。
ふざけてないで大真面目にこれ、というのがとてもいい。
なので、この金剛宮に限らず、この神様はほかの場所でも「目が手」だったりするのだ。見たい。
それにしても、せっかくのフォトジェニックなのに逆光なのが辛い。しかし、ネタで存在するわけでないものをネタで見に来ている身なので、あまり文句も言えまい。

言ったように他の像は、ここまで個性的な姿ではないけれど、どれも目をかっぴらいた味のある風貌をしている。特に十二支をモチーフにしたと思われる像が良い。

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頭に乗っている。

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兎かわいい。

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龍は例外的に手に持っているようだ。
「子」に限らず、●ッキー風なのが複数いたりもする。

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2階を堪能してルートに沿って1階へ降りると、さっきのおばちゃんがいて、今度は後半の内容を教えてくれる。
七星橋という、渡ると厄除けになって長生きできるという橋を勧められたが、お金もかかるし、一人でそういうイベントめいたことをするのが辛いので辞退する。

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するとおばんちゃんは特にがっかりすることもなく「じゃあ地獄?」という。
もちろん、不信人者は地獄落ちだと言っているわけではない。ここに「地獄」があるのである。
私は待ってましたとばかりに「それ!」とにこやかにうなずく。高雄の仏光山で見損ねた地獄に、ついに出会える!

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地獄の入口。
てっきり入場料とかあるのかと思ったら、タダだった。

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冥府の神様たちがお出迎え。

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さあ地獄へ落ちよう!
一本道の廊下にそって、地獄の責め苦が展開するのだが、センサーがついていて、人が来るとライトがつき稼働する仕組みになっている。ギミックつき地獄なのだ。ここはやっぱりテーマパークだった。

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ひったてられてきたばかりと思われる亡者。この時点でもう血を吹いている。

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ひたすら刺される。

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これは縛られているだけか?と思いきや。

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両目えぐられていた。

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これからてめーらぶったぎりまーす。

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埋められている。なぜかちょっと楽しそう。

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食われている。

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引きつぶされている。

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責め苦オンパレード。載せたのはほんの一部である。
エリアごとに担当官吏がいるのだが、その机に必ずスナック菓子が供えられているのもいい。

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なんか動物だらけになったな、と思ったら、畜生に生まれ変わるということらしい。

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これは実際くるくる回り、一定時間でぴたりと止まる。たぶん来世を決めるルーレット的なものなのだろう。どれが当たりとかよくわからないけれど。
地獄の最後には、生まれ変わる魂に前世と冥府の記憶を忘却させるという孟婆が。

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お勤め終了ということか。
突き当りは二階へ上がる階段で、上階はうってかわって天国の廊下になっている。

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とはいっても、こちらはアトラクションめいたものはなく、ただ神様の像が並んでいるだけ。力の入れ具合の落差が激しい。
しかもこちらの天国のイメージとはだいぶかけ離れた個性的な神々ばかりで、通る者に逐一圧力をかけてくる。

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馬顔

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基本的に強面しかいない。

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縞模様の象なかなかかっこいい。
これに限らず、乗物の動物がバラエティに富んでいてよい。動物には名前がついていないのかな?

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そしてだいたい何らかの武器を持っているのが多い。天国は修羅の国か。

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これはマラカスの可能性もある。

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もぐもぐ。怖いよ。天国にこんなのいるの?
出口側から見ると一応天国っぽい。

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天国を抜けた先に最後の建物が。

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一階には臥仏殿。

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台湾一大きいと言っていたけれども…。
奥には斗姥元君

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4つ目人たちの中に、一人だけニワトリ乗っけてるどこかで見たテイストの人がいるなと思ったら、六十甲子太歳の方。おそらく丁酉唐傑大将軍という今年の太歳にあたる人。当番はこっちに来るシステムなのだろうか。

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足の裏。

2階は長生殿。

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仁聖大帝泰山府君)が祀られている。この像のリアルさ、もしかしてモデルがいるのかな。

3階は五百羅漢殿。

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みっしり。

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私一人しかいないのにとても暑苦しい。
500きっちりいそうだ。原型は10パターンくらいだけど、ヒゲのつけ方とか持っているものだとかいちいち変えていて、たぶん全部違うのではなかろうか。

これで終わりかと思ったが、1階の通ってないところ、甲子太歳の下にあたるエリアにまだいろいろとあった。

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でかい船。

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通常サイズの玄天上帝。

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通常サイズの哪吒太子。

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でかいカエル。

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金辯大将軍の後頭部。一目でわかる。

と、一通り見て、人心地つけたいと、休憩所みたいなところへ行くと。

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ん?
売っているようではない。
もしかして食っていいの?

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食っていいらしい。

そこは遠慮しろよとも思ったが、食欲よりも好奇心が勝って、いただいてしまった。

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麺線。素朴な味で落ち着く。

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真面目な信仰の場で、厳かと言えば厳かでもあるのだが、どこかカジュアルでもあり、子供が遊んでいたりする不思議な空間だった。
これまでの寺のように肩身の狭さをあまり感じない楽しい寺だったが、もう少し遠慮したほうが良かった気もする。

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そんな新十八王公を発ち、淡水へ戻る…が長くなったので、いったん区切ろう。